トレハロース(Trehalose)とは
トレハロースは、本来きのこ類や酵母をはじめ、動植物の細胞内に広く存在する、天然の糖質(ブドウ糖2分子が結合した二糖類)で、寒い地域や砂漠に暮らす動物は、細胞内にトレハロースを含み、細胞液の凍結・乾燥を防いでいると言われ、また昆虫はトレハロースがなければ生きていけないことが知られている。
食品ではキノコや酵母に多く存在し、乾燥シイタケには約20%含まれている。
トレハロースは、従来は専ら酵母から抽出されていたが、
現在では、
澱粉に、酵母菌などの微生物由来の酵素を反応させて、大量生産する技術が開発され安価に入手できるようになった。
トレハロースは、基本的には急性毒性もなく安全と言われており、甘味料の仲間だが、用途名を併記する必要はなく、「トレハロース」と単独表記される。
トレハロースの使途
トレハロースは1グラムあたりのカロリーは砂糖と同じ4キロカロリーだが、甘さは半分以下で、砂糖と同じ甘さを出すには、カロリーが高くなるところから、甘味料としてよりむしろ食品の品質保持・品質向上を目的として使われることが多い。トレハロースはその用途の広さ・性能のすばらしさから夢の糖質と呼ばれ、
現在では食品添加物として、和菓子や洋菓子、冷凍食品、麺類、ご飯類、パン、肉や魚の加工品、お惣菜、ジュースなど、様々な食品に使用されている。
トレハロースを用いた冷凍食品は、味や食感の劣化が無い。
脂質の酸化を抑制する。
炊飯時に、お米3合あたりトレハロースを大さじ1杯加えると、ふっくらと炊きあがる。また、炊いたお米を長時間放置すると硬くなりパサつくが、トレハロースを使うとデンプンの老化を抑えパサつきを防いでくれる。
パンを焼く時に、加える砂糖の分量の25%から50%をトレハロースにすると、ふっくらモチモチ焼きあがり、またふわふわ感が長持ちする。
トレハロースはタンパク質の変性を抑制するので、卵焼きやハンバーグ、プリンなどに少量加えると、タンパク質が劣化せず、身やせしない。
トレハロース自体の甘みは砂糖に比べてあっさりしているので、これを加えることにより、ダダ甘さを防げる。
トレハロースは二糖類故に、摂取後の血糖値の急激な上昇を防げるので、血糖値が気になる向きにも適した甘味料と言える。
トレハロースは、その保湿効果の高さから、食品以外にも、化粧品、せっけん、入浴剤などにも使われている。
また、医療関連でも、開腹手術後の癒着防止剤やドライアイの治療薬など、多方面への応用の研究が進められている。
最新情報ーオートファジーの活性化
先日の「大隅 良典 氏のノーベル賞受賞」に伴い、
今話題の渦中にある「オートファジー」
オートファジーは運動や断食などで活性化されることは周知の事実ですが、
トレハロースがこの「オートファジー」を活性化させることが、研究で明らかになっています。
トレハロース,天然の甘味料,安全,調味料,オートファジー,お米にトレハ